和歌山市感染症情報センター

今、注目の感染症
 

【5類感染症】第7週(2月13日〜2月19日)
 第7週の和歌山市の感染症の発生状況です。
 インフルエンザの流行は終息傾向です。第4週で561件とピークを迎えた後、第6週289件、第7週205件と減少していますが、和歌山市では引き続き警報は発令されています。発熱・咳・咽頭痛等の症状を訴えています。感染性胃腸炎は、第2週253件で警報発令され、第6週187件、第7週190件と横ばい状態のため、引き続き警報発令中です。外出後の手洗い・うがいの徹底、マスクの着用、不用な人出への外出は避け、室内は適度な湿度を保つよう留意しましょう。また、日頃から、規則正しい生活、バランスのとれた食事などに心がけましょう。
  咽頭結膜熱が第7週12件(定点当たり1.33)と増加を示し、和歌山市および岩出管内で、警報が発令されました。今後の動向に注意が必要です。 流行性耳下腺炎は第6週22件から第7週42件と増加を認め、注意報が発令されています。
  A型溶血性レンサ球菌咽頭炎が第4週に一旦増加傾向を示しましたが、第6週12件、第7週15件でほぼ1月の発生件数に戻っています。
  RS感染症は第6週0件でしたが、第7週5件と増加を認め、今後の再増加に注意が必要です。


手洗い・うがいの励行,マスクの着用など注意が必要です!
 和歌山市内においては、第47週に1例が初報告されたインフルエンザは、第51週には218件、第52週には222件報告され、注意報が発令されました。例年と比較すると非常に早い立ち上がりとなりました。第1週では、冬休みをはさんで132件とやや減少しましたが、第2週では280件と増加しており、流行期に突入、第3週では468件と倍増し、警報が発令されました。第4週は561件でピークに達しました。第6週289件、第7週205件と減少傾向にありますが、引き続き警報は発令中です。
  IDWR(第5週)の報告によると、2005年第36週から2006年第5週までの累積患者報告数は574,684人で、年齢別では5〜9歳が167,797(29.2%)で最も多く、次いで0〜4歳が148,986(25.9%)であり、14歳以下が全体の約68.9%を占めています。 IDWR(第5週)では,第36週以降,AH3型は1,238件(83.7%)、AH1型は223件(15.1%)、B型は18件(1.2%)の分離が報告されています。
  インフルエンザ流行期はピークを過ぎましたが、人出の多い場所への不要な外出は控え,日ごろからの健康管理、うがい、手洗い励行など基本的な生活習慣を大切にしましょう。また、発熱等の症状が出た場合には、早めに受診し、正しい診断と適切な処置をうけましょう。
和歌山市におけるインフルエンザの流行状況
年齢別報告数



 「感染性胃腸炎」は小児に好発するロタウイルス腸炎やノロウィルス感染症にみられるように、冬季〜春先に大流行し、秋は最も報告数は減少します。和歌山市内では、微妙な増減を繰り返しつつ第45週からは増加傾向でしたが、第51週221件に急増し,警報発令されました。第52週は171件,第1週は118件でやや減少傾向でしたが、第2週では253件(定点当り28.11)に急増、第6週187件、第7週190件(定点当たり21.11)とやや減少しましたが、現在は横ばい状態で流行は続いています。
  IDWR第5週病原体情報ではノロウィルスGUの分離が増加しており、31府県から986件が分離報告され、GTは計25件の報告となっています。サポウィルスが29件,A群ロタウィルスが39件検出されています。 年齢別報告数では、やはり乳幼児を中心とした発生の報告があります。
  今後冬季〜春先に向けて流行の継続が予想されます。日常生活における「手洗い」、「うがい」励行などを日ごろより心がけて下さい。また,嘔吐や下痢などの症状があるときは,水分補給を充分にしてください。嘔吐物や便等排泄物の処理は使い捨ての手袋を着用し、衛生的に取り扱いましょう。嘔吐物や下痢便等で汚染された衣類等は、熱湯やハイターで消毒して、他の衣類等とは別にして洗濯しましょう。
和歌山市における感染性胃腸炎の流行状況
年齢別報告数



 咽頭結膜熱の定点当たり報告数が増加しており、過去5年間の同時期と比較してかなり多くなっていることが、全国的にも報告されています。第7週に県内では和歌山市が12件(定点当たり1.33)、岩出管内で7件(定点当たり1.75)と増加し、警報発令となりました。年齢別では12ヶ月未満1人、1歳3人、2歳1人、3歳3人、4歳3人と幼児に多く、保育所・幼稚園等で感染している可能性があります。咽頭結膜熱はプール熱とも呼ばれ、アデノウイルスによる飛沫感染が原因です。咽頭炎、結膜炎、発熱を起こします。数日で治癒しますが、伝染力が極めて強いことから、主要症状消退後2日経過しないと登校できないので注意してください。
和歌山市における流行性耳下腺炎の流行状況



 「流行性耳下腺炎」は「約4年ごとに増える傾向がみられている。2005年には報告数が増加する可能性が高い」(第15週IDWR)と予想されていました。
  和歌山市でも、第42週に警報が発令されました。その後、増減を繰り返しながら第2週43件から、第6週22件と減少傾向でしたが、第7週42件と再増加を認めました。年齢別報告数では、1歳から6歳までで大部分を占めています。
和歌山市における流行性耳下腺炎の流行状況
年齢別報告数



 増減を繰り返しており、第4週12件でしたが、第6週21件、第7週31件とやや増加しました。
 全国的には、IDWRでは第50週にピークが認められ、以降やや減少の傾向です。水痘の発生動向をみると、例年夏季から秋季にかけて報告数が減少し、第38週前後に最小値となり、その後冬季に向かって増加していきます。また、水痘ワクチンはあるものの、わが国においてはまだ流行をコントロールするには至っていません。いまのところ、目立った流行状況ではありませんが、冬季は流行の時期ですので、今後も水痘の発生動向には注意が必要です。
和歌山市における水痘の流行状況



 2005年は、例年より報告数が多い状況が持続していました。全国的にも同じ傾向が認められています。和歌山市内では、第49週に22例(定点当たり2.44)と増加しました。第1週以降は、12件,10件,11件とほぼ横ばい状況で第6週12件(定点当たり1.33)でしたが、第7週15件とやや増加しました。今後の動向に注意しましょう。
  この感染症では、治療が十分に行われないと腎炎、リウマチ熱を発症することがあるので、早期診断、適切な治療が特に必要とされています。
和歌山市におけるA群溶血性レンサ球菌咽頭炎の流行状況



 RSウィルス感染症の流行は毎年冬で、特に乳幼児(特に6ヶ月未満)に中心にみられる肺炎、気管支炎などの急性下気道感染症です。ロタウイルス腸炎と並んで、冬季に流行する乳幼児に多い感染症です。
  2005年では,第44週以降報告が続き,第49週42件でピークとなりました。以降漸減傾向で、第6週では0件になりましたが、第7週は5件(6ヶ月未満が4人)と増加が認められました。
  全国的にも報告数は第41週以降連続して増加していましたが、第49週、50週にピークを迎え、以降はやや減少傾向にありますが、今後の動向に注意が必要です。年齢別では、1歳以下の報告数は全体の約80%を占めています。
和歌山市におけるRS感染症の流行状況



 33週以降、感染者数が認められておりませんでしたが、第41、44週に1例の報告が御坊管内において、第45週は岩出管内で2例、御坊管内で1例の計3例の報告がありました。また、第50週に和歌山市管内で1例(定点当たり0.33)、岩出管内で1例(定点当たり1.00)の報告がありました。以降,市内では報告はありませんが、第6週に岩出管内および御坊管内で1例(定点当たり1.00)ずつ報告がありました。
  マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマ・ニューモニアエ(Mycoplasma pneumoniae)を病原体とし、飛沫感染を主な感染経路とする呼吸器感染症です。潜伏期間は2〜3週間であり、咳や発熱、胸痛などが主な症状です。治療は、抗菌薬(エリスロマイシン、クラリスロマイシンなど)の内服が中心となります。
  流行季節はなく、通年性に発生が認められますが、過去5年間では冬季(第50週前後)にピークが認められます。今後、報告数が増加する可能性がありますので、その発生動向には注意していく必要があります。


 和歌山市では2005年に入ってからまだ発生の報告はなく、県内でも第2週に新宮管内と高野口管内で各1件、第7週に田辺管内で2件、第11週に高野口管内で1件、第21週に高野口管内で1件、第24週に高野口管内で1件、第33週に岩出管内で1件の報告があるのみです。
  なお、和歌山県・市では麻疹と風疹の全数把握事業を実施しています。5月2日〜2006年2月12日で麻疹の報告は県内で2件、和歌山市で0件でした。
  和歌山市 和歌山県
麻疹 風疹 麻疹 風疹
5月2日 〜 6月5日 0 4 1 6
6月6日 〜 7月31日 0 0 0 2
7月4日 〜 7月31日 0 0 0 1
8月1日 〜 9月4日 0 0 1 1
9月5日〜2006年2月19日 0 0 0 0



風しんと先天性風しん症候群の予防について


 小児科定点からの全国の「風しん」患者数は,2004年に一部の地域(群馬県,大分県,鹿児島県,宮城県,埼玉県など)で多く報告されました。全国3000の小児科定点医療機関から第20週243件,定点当り0.08人の報告で感染症法施行以降最高値となりました。
 患者の年齢別では,2004年では以前と比較して10〜14歳及び20歳以上の割合が明らかに大きくなっています。これらは小児科定点からの報告であるため,実際の成人の風疹罹患数はより多い可能性があります。
 一方,ワクチン未接種で罹患したこともない女性が妊娠初期に風疹に罹患したときにウィルスが胎児に感染し,出生児に「先天性風疹症候群」を起こすことがあります。この先天性風疹症候群は「感音性難聴」「白内障または緑内障」「心疾患」が3主徴で,通常妊娠第16週までに起ることが殆どです。
 感染症法では,「先天性風しん症候群」は全数把握となっていますが,いままで1年に1例以内だったのが,2004では,第51週までで9例の報告がありました。和歌山市内で「先天性風疹症候群」の報告はありません。

 また,「風疹」は,和歌山市内では,2004年1年間で計7件の報告でした。
 非流行時から妊娠可能年齢の女性の積極的な予防接種が重要です。また,流行阻止のために,男女とも,ワクチン接種歴がなく,罹患もしていない人は,男女とも予防接種(任意接種)を受けることが望まれます。
 なお,妊娠可能な女性については,ワクチン接種後2か月間の避妊が必要です。

Stop 麻しん・風しん = 「予防接種」は最も有効で積極的な予防法!!


予防接種法施行令の一部が改正されました。


 感染症対策で最も有効な予防法は予防接種ですが、時期が一部改正されました。 麻しんや風しんの予防接種は,現行ではいずれも満1歳〜満7歳6か月になるまでの間の1回接種でしたが、改正後、平成18年4月1日より、麻しん、風しんでは次のようになります。

 第1期の予防接種 満1歳〜満2歳になるまでの間
 第2期の予防接種 満5歳〜7歳未満で、小学校入学日の1年前の日から小学校入学 前日までの間
 いずれも、「麻しん風しん混合ワクチン」を 2回施行します。

 現在,満1歳以上7歳6か月未満のお子さんで,麻しんまたは風しんの予防接種のいずれか,もしくは両方を未接種の場合は,平成18年3月31日までに早めに接種を済ませましょう。

 麻疹の予防接種の標準接種月齢(=最も適切な接種時期)は,「生後12月から15月(満1歳3か月)」です。麻しんは1歳ごろがもっとも罹患しやすく,かつ重症になるため、満1歳になったら,できるだけ早い時期に予防接種を受けましょう。

 また,7歳6か月を過ぎた方でまだ予防接種を受けていない人では,任意接種(有料)になりますが,大きくなってから罹患することを予防するためにも接種することをお勧めします。かかりつけ医にご相談ください。

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