和歌山市感染症情報センター

Wakayama City Infectious Disease Surveilance Center


今注目の感染症!       第30・31週(7月12日〜7月18日)
 



  咽頭結膜熱 警報継続 県内4保健所管内のみ! 終息傾向か?!   

 今年は,早期からの流行し,第22週では32件(定点当り3.56)とピークとなりました。以後,漸減しつつも警報は継続発令されていましたが,第32週6件,第33週3件で,終息に向かいつつあるように思われます。県下でも,高野口管内が第32週11件(定点当り2.75),第33週7件(定点当り1.75)とまだ流行が続いていますが,全体に報告数が減少しています。
  年齢別では,第32・33週では,0歳〜4歳までの乳幼児のみでの報告となっています。
  流行状況及び年齢別報告数は,下図のとおりです。

  病原体情報では,IDWRによると,年初からアデノウェイルス3型(Ad3)が多く検出されており,次いで,Ad2,Ad1,Ad4,Ad6が報告されています。

和歌山市のおける咽頭結膜熱の流行状況

咽頭結膜熱年齢別報告数

 厚生労働省へ




 ヘルパンギーナ   目立った流行なし

 「咽頭結膜熱」「手足口病」とともに3大夏風邪のひとつ「ヘルパンギーナ」は,全国的にも和歌山市内でも,5年前に大流行しました。ことしは,和歌山市内では,第28週33件(定点当り3.67)で以降19件,18件,13件,13件,14件と減少〜横ばい傾向です。
  年齢別では,第33週で,6-12か月3件,1歳2件,2歳5件,3歳2件,4歳2件でした。

ヘルパンギーナの流行状況

ヘルパンギーナの流行状況



 その他の感染症

 「水痘(みずぼうそう)」
 和歌山市では,第32週8件から,33週では30件(定点当り3.33)に急増しています。年齢別報告数は下図のとおりです。

  「流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)」 岩出,田辺,新宮で流行中,和歌山市内は平年並み
  和歌山市第32週15件,第33週16件(定点当り1.78)です。年齢別では,2歳から7歳での報告です。
  県内では,岩出管内で,第32週24件(定点当り6.00)と流行中で警報発令されています。 第9週以降継続して警報が発令されている田辺管内では,第32週6件に減少,第33週12件(定点当り3.00)で注意報となっています。一方,新宮管内では,第33週17件(定点当り8.50)と増加し警報発令です。

  「その他の感染症」
  「突発性発疹」:和歌山市第32週18件,33週12件と例年並です。年齢別では,0歳から2歳での報告です。県内でも特に目立った状況はありません。

  「手足口病」:3大夏風邪のひとつですが,和歌山市では第32週16件,第33週13件です。県下では高野口で1件,新宮で1件のみ報告です。




風しんと先天性風しん症候群の予防について

 小児科定点からの全国の「風しん」患者数は,今年になって一部の地域(群馬県,大分県,鹿児島県,宮城県,埼玉県など)で多く報国されています。全国3000の小児科定点医療機関から第20週243件,定点当り0.08人の報告で感染症法施行以降最高値となっています。第20週までの都道府県別累積報告数では,栃木県,群馬県,沖縄県,秋田県,大分県で多く報告されています。
  患者の年齢別では,本年は昨年までと比較して10~14歳及び20歳以上の割合が明らかに大きくなっています。これらは小児科定点からの報告であるため,実際の成人の風疹罹患数はより多い可能性があります。
  一方,ワクチン未接種で罹患したこともない女性が妊娠初期に風疹に罹患したときにウィルスが胎児に感染し,出生児に「先天性風疹症候群」を起こすことがあります。この先天性風疹症候群は「感音性難聴」「白内障または緑内障」「心疾患」が3主徴で,通常妊娠第16週までに起ることが殆どです。
  感染症法では,「先天性風しん症候群」は全数把握となっていますが,いままで1年に1例以内だったのが,今年は,すでに3例の報告がありました。
  現在,和歌山市内では,第18週に今年初めて1件の報告,第29週2件目の報告がありました。年齢は3歳と0-6か月でした。
  非流行時から妊娠可能年齢の女性の積極的な予防接種が重要です。また,流行阻止のために,男女とも,ワクチン接種歴がなく,罹患もしていない人は,男女とも予防接種(任意接種)を受けることが望まれます。
  なお,妊娠可能な女性については,ワクチン接種後2か月間の避妊が必要です。



Stop 麻しん・風しん = 「予防接種」は最も有効で積極的な予防法!!

  感染症対策で最も有効な予防法は予防接種です。
  麻しんや風しんは予防接種で感染を予防できます。いずれも満1歳〜満7歳6か月になるまでの間にかかりつけ医で接種できます。

 予防接種の接種時期については,最も適切な接種時期として,「標準接種月齢」が示されています。先日,予防接種実施要領が改正され, 麻しんの予防接種の標準接種月齢 が,今までの「生後 12 月から 24 月」から、 「生後 12 月から 15 月(満 1 歳3か月)」 に変更されました。これは,麻しんが 1 歳ごろがもっとも罹患しやすく,かつ重症になるため、満1歳になったら,できるだけ早い時期に予防接種を受けることを推進するためのものです。

  「お誕生日を迎えたら,かかりつけ医で麻しんの予防接種をうけましょう!」

  「麻しん」の予防接種の後は,引き続き「風しん」の予防接種をうけましょう!

 また, 7 歳6か月を過ぎた方でまだ予防接種を受けていない人では,任意接種(有料)になりますが,大きくなってから罹患することを予防するためにも接種することをお勧めします。かかりつけ医にご相談ください。




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