和歌山市感染症情報センター

Wakayama City Infectious Disease Surveilance Center


今注目の感染症!       第34・35・36週8月16日〜9月5日
 



  咽頭結膜熱 警報継続 第35週市内で再流行!   

 今年は,早期からの流行し,第22週では32件(定点当り3.56)とピークとなりました。以後,漸減しつつも警報は継続発令されていましたが,第32週6件,第33週3件で,終息に向かいつつあるように思われましたが,夏休み最後の週のでる第35週に20件を急増しました。年齢別報告数では,乳幼児だけでなく,8-14歳でも報告がありました。再流行が心配されましたが,新学期が始まった第36週は3件のみの報告でした。県下では,高野口管内が第35週5件(定点当り1.25),第36週1件と落ち着きつつあります。

  流行状況及び年齢別報告数は,下図のとおりです。
 
  病原体情報では,IDWRによると,年初からアデノウェイルス3型(Ad3)が多く検出されており,次いで,Ad2,Ad1,Ad4,Ad6が報告されています。

和歌山市のおける咽頭結膜熱の流行状況

咽頭結膜熱年齢別報告数

 厚生労働省へ




 ヘルパンギーナ   目立った流行なし

 「咽頭結膜熱」「手足口病」とともに3大夏風邪のひとつ「ヘルパンギーナ」は,全国的にも和歌山市内でも,5年前に大流行しました。ことしは,和歌山市内では,第28週33件(定点当り3.67)でピーク, 以降やや減少〜横ばい傾向で,第34週5件,第35週2件,第36週2件と減少しています。

 年齢別では,いずれの週も,6-12か月から4歳まででの報告となっています。

ヘルパンギーナの流行状況




 その他の感染症

 「水痘(みずぼうそう)」
 和歌山市では,第33週では30件(定点当り3.33)に急増しましたが,以降11件,17件,7件です。年齢別報告数は下図のとおりです。

「流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)」 岩出,田辺,新宮で流行中,和歌山市内は平年並み

 和歌山市第34週7件,第35週15件(定点当り1.67),第36週5件です。年齢別では,乳児から8歳までの報告です。県内では,岩出管内で,流行が持続しており,第34週18件,第35週23件(定点当り5.75),第36週10件で警報が継続中です。田辺管内は,第34週17件から第36週10件へ減少し,警報が解除されました。また,新宮管内でも,第34週6件から第36週2件に減少し,警報は解除pされました。一方,海南管内で,第36週6件(定点当り3.00)に増加し,注意報となっています。

 「その他の感染症」
「突発性発疹」:和歌山市12件,13件,14件と例年並で横ばいです。年齢別では,0歳から1歳での報告です。県内でも特に目立った状況はありません。

  「手足口病」:3大夏風邪のひとつですが,大きな流行はないまま,和歌山市では第34週9件,第35週4件,第36週0件と減少となっています。県下でも目立った状況はありません。




風しんと先天性風しん症候群の予防について

 小児科定点からの全国の「風しん」患者数は,今年になって一部の地域(群馬県,大分県,鹿児島県,宮城県,埼玉県など)で多く報国されています。全国3000の小児科定点医療機関から第20週243件,定点当り0.08人の報告で感染症法施行以降最高値となっています。第20週までの都道府県別累積報告数では,栃木県,群馬県,沖縄県,秋田県,大分県で多く報告されています。
  患者の年齢別では,本年は昨年までと比較して10~14歳及び20歳以上の割合が明らかに大きくなっています。これらは小児科定点からの報告であるため,実際の成人の風疹罹患数はより多い可能性があります。
  一方,ワクチン未接種で罹患したこともない女性が妊娠初期に風疹に罹患したときにウィルスが胎児に感染し,出生児に「先天性風疹症候群」を起こすことがあります。この先天性風疹症候群は「感音性難聴」「白内障または緑内障」「心疾患」が3主徴で,通常妊娠第16週までに起ることが殆どです。
  感染症法では,「先天性風しん症候群」は全数把握となっていますが,いままで1年に1例以内だったのが,今年は,すでに3例の報告がありました。
  現在,和歌山市内では,第18週に今年初めて1件の報告,第29週2件目の報告がありました。年齢は3歳と0-6か月でした。
  非流行時から妊娠可能年齢の女性の積極的な予防接種が重要です。また,流行阻止のために,男女とも,ワクチン接種歴がなく,罹患もしていない人は,男女とも予防接種(任意接種)を受けることが望まれます。
  なお,妊娠可能な女性については,ワクチン接種後2か月間の避妊が必要です。



Stop 麻しん・風しん = 「予防接種」は最も有効で積極的な予防法!!

  感染症対策で最も有効な予防法は予防接種です。
  麻しんや風しんは予防接種で感染を予防できます。いずれも満1歳〜満7歳6か月になるまでの間にかかりつけ医で接種できます。

 予防接種の接種時期については,最も適切な接種時期として,「標準接種月齢」が示されています。先日,予防接種実施要領が改正され, 麻しんの予防接種の標準接種月齢 が,今までの「生後 12 月から 24 月」から、 「生後 12 月から 15 月(満 1 歳3か月)」 に変更されました。これは,麻しんが 1 歳ごろがもっとも罹患しやすく,かつ重症になるため、満1歳になったら,できるだけ早い時期に予防接種を受けることを推進するためのものです。

  「お誕生日を迎えたら,かかりつけ医で麻しんの予防接種をうけましょう!」

  「麻しん」の予防接種の後は,引き続き「風しん」の予防接種をうけましょう!

 また, 7 歳6か月を過ぎた方でまだ予防接種を受けていない人では,任意接種(有料)になりますが,大きくなってから罹患することを予防するためにも接種することをお勧めします。かかりつけ医にご相談ください。




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