和歌山市感染症情報センター

Wakayama City Infectious Disease Surveilance Center
2013年
5類感染症:定点把握
第23週(6月3日〜6月9日)

2013年第1〜23週までの和歌山市の発生状況の概要です。

5類感染症:全数把握

2013年第1〜23週までの和歌山市の発生状況の概要です。

全数把握感染症(結核を除く)

2013年第1〜23週までの和歌山市の発生状況の概要です。

  疾患名 報告数
三類感染症 腸管出血性大腸菌(0-157) 1
四類感染症 レジオネラ症 3
デング熱 2
五類感染症 クロイツフェルト・ヤコブ病 1
後天性免疫不全症候群 4
風しん 122
アメーバ赤痢 2
梅毒 1
侵襲性肺炎球菌感染症 1
感染性胃腸炎 Infectious gastroenteritis
報告数は前週より減少しました。

 「感染性胃腸炎」は冬場に流行する嘔吐、下痢を主症状とする代表的な感染症であり、その大半は、ノロウイルスやロタウイルス等のウイルス感染を原因とするものです。 多くの患者は、乳幼児や学童ですが、成人にも見られます。患者発生のピークは例年12月中となることが多く、特に集団発生例の原因の多くはノロウイルスによるものであると考えられています。
 ノロウイルス・ロタウイルスによる感染性胃腸炎は、数時間〜数日(平均1〜2日)の潜伏期を経て、嘔吐・嘔気、腹痛・下痢、発熱等が見られます。嘔吐・下痢は1日数回から多いときは10回以上のこともあります。しかし、症状持続期間は数時間〜数日(平均1〜2日)と比較的短く、重症化して長期にわたり入院を要することは少ないです。また、発熱の頻度は高くありません。
 ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルスは、人の手などを介して、口に入って感染する可能性があります。ノロウイルスの感染経路は、ヒトからヒトへの感染(感染した人の便や吐物に触れた手指を介して口に入る場合・便や吐物が乾燥して、細かな塵として舞い上がり、体内に取り込んでしまった場合)と汚染した食品を介して起こる食中毒(感染した人が十分手を洗わず調理した食品を食べた場合・ウイルスを取り込んだ二枚貝を生または不十分な加熱処理で食べた場合)に分けられます。
 乳幼児の集団生活施設である保育所や幼稚園、小児の集団生活施設である小学校等においては、接触感染や飛沫感染等により、集団発生が繰り返されてきているものと推察されます。
 2013年第1週32件、第2週85件、第3週75件、第4週85件、第5週82件第6週85件、第7週64件、第8週121件、第9週127件、第10週110件、第11週101件、第12週68件、第13週67件、第14週64件、第15週38件、第16週48件、第17週88件、第18週43件、第19週71件、第20週67件、第21週69件、第22週74件(定点あたり8.22)でした。今週は55件(定点あたり6.11)であり、前週より減少しました。



 ノロウイルスには、塩素系の消毒剤が有効です。嘔吐物や下痢便の処理は、衛生的に取り扱い、汚れた場所や衣類等は、熱湯や塩素系消毒剤で消毒しましょう。特に、集団生活をされている方は、日頃からの手洗いや便の取り扱いに注意が必要です。


 嘔吐・下痢などの症状があるときには、水分補給をし、症状がひどくて水分も摂れない場合は、すみやかに医療機関を受診して下さい。



インフルエンザ Seasonal Influenza
減少が続いています。

 2013年第23週の患者報告数は、3件(定点あたり0.20)で、前週(13件)より減少し、終息してきています。2012-2013年シーズン(2012年36週以降)は、2012年第47週1件、第49週2件、第50週15件、第51週53件、第52週38件、2013年1週13件、第2週125件、第3週217件、第4週428件、第5週380件、第6週325件、第7週290件、第8週318件、第9週345件、第10週333件、第11週300件、第12週259件、第13週143件、第14週67件、第15週28件、第16週39件、第17週60件、第18週40件、第19週24件、第20週14件、第21週12件でした。54検体の遺伝子検査を実施した結果、AH3型(A香港型)49例、AH1pdm09型1例、B型12例でした。全国的には第4週をピークに患者数は減少傾向です。今シーズン、AH3が最も多く検出されています。


感染予防のため、うがいや手洗い、マスクの着用による咳エチケットを心がけてください。


RSウイルス感染症 Respiratory Syncytial Virus Infection
第21週以降報告なし

 RSウイルス感染症は、冬場(11月〜3月)にかけて主に乳幼児で流行する感染症です。乳幼児が感染すると、細気管支炎や肺炎をおこすことがあります。RSウイルス感染症は、乳幼児の肺炎の原因の約50%、細気管支炎の50〜90%を占めるとの報告もあります。
 RSウイルス感染症の報告数は、例年冬期にピークが見られ、夏期は報告数が少ない状態が継続していたが、全国的に、2011年、2012年と2年連続して7月頃から増加傾向がみられています。
 潜伏期は2〜8日とされています。RSウイルスの主な感染経路は飛沫感染と接触感染ですが、感染力が強く、また生涯にわたって何度も顕性感染を繰り返すといわれています。鼻水、咳、発熱などの風邪症状に加えヒューヒュー、ゼーゼーというような「喘鳴」が聞かれる場合は、医療機関を受診しましょう。
 2013年第1週16件、第2週9件、第3週5件、第4週9件、第5週2件、第6週7件、第7週4件、第8週5件、第9・10週3件、第11・12週0件、第13週1件、第14週2件、第15週3件、第17週2件、第18週1件、第20週1件(定点あたり0.11)でした。患者報告数は、過去5年間の同時期と比較して同程度となっています。
 2012−2013年の累積報告者数は、2歳以下で全報告数の90%以上を占めています。


 予防のために、うがい、手洗いによる感染予防を行いましょう。また、初発時は発症して7日〜10日間はウイルスが気道分泌物内に存在しており、手や持ち物を介しての集団発生も認められるため、感染者がいる場合は接触を避けることが重要です。

水痘 Varicella
今週の報告数は前週より増加しました。

 水痘ウイルスは、発疹出現の1〜2日前から出現後4〜5日、あるいは痂皮化するまで伝染力があります。季節的には毎年12〜7月に多く、8〜11月には減少しており、罹患年齢はほとんどが9歳以下です。 
 水痘は、空気感染で、咽頭から水痘帯状疱疹ウイルスが空中に放出され、口腔や鼻粘膜から侵入し感染します。また、接触感染することもあります。発疹が出る数日前からすでに感染性があるため、集団生活で感染拡大する可能性が高い疾患です。
 学校や保育園、幼稚園など集団生活の機会がある方は、注意して下さい。
 2013年第1週4件、第2週15件、第3週10件、第4・5週は6件、第6週は9件、第7・8週6件、第9週12件、第10週20件、第11週16件、第12週31件、第13週15件、第14週14件、第15週11件、第16週6件、第17週7件、第18週4件、第19週10件、第20週29件、第21週8件、第22週20件(定点あたり2.22)でした。今週は22件(定点あたり2.44)で前週より増加しました。


 ワクチン接種は、任意接種ですが、1歳以降での接種が勧められます。水痘のワクチン接種は、接種していても発病することがありますが、軽症で済み、接種することで重症化を防ぐ効果があります。

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎 Group A streptococcal pharyngitis
今週の報告数は前週より増加しました。

 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は、春から夏、冬季の2つの時期をピークとして流行がみられます。
 2013年第1週4件、第2週13件、第3週10件、第4・5週16件、第6週10件、第7・8週8件、第9週21件、第10週9件、第11週10件、第12週14件、第13週12件、第14週10件、第15週8件、第16週6件、第17週10件、第18週3件、第19週8件、第20週6件、第21週12件、第22週5件(定点あたり0.56)でした。今週の報告数は、9件(定点あたり1.00)と前週より減少しました。


 本感染症は、治療が十分に行われないと劇症化したり、急性糸球体腎炎やリウマチ熱など重篤な合併症を発症したりすることがあるので、早期診断、適切な治療(抗生剤投与)が必要です。劇症型感染の発症機序は明らかでなく、有効な予防対策や拡大防止策はありません。突然の発熱、咽頭痛、筋肉痛、発疹などがある場合、早期に医療機関を受診してください。一般的には小児に多いですが、成人でも発症します。

マイコプラズマ肺炎 Mycoplasma pneumonia
第17週以降報告なし。

 マイコプラズマ肺炎は、肺炎マイコプラズマによって起こる呼吸器感染症です。幼児期から学童期によく見られます。感染経路は主に飛沫感染や接触感染といわれています。保育施設や幼稚園、学校、あるいは家庭内などの濃厚な接触で感染します。
和歌山市の患者報告数は、2013年第1週の報告数は1件でした。第2・3週は0件、第4週は1件、第5週以降は0件でしたが、第12週2件(定点あたり0.67)、第14・15・16週1件(定点あたり0.33)の報告がありました。
 2012−2013年の報告患者は、10歳未満が全体の約70%を占めています。
 近年、薬の効きにくいマイコプラズマの報告も見られます。マイコプラズマ感染症と診断され、治療を開始したにもかかわらず、症状の改善がない場合は、主治医に相談しましょう。


感染を広げないためのポイントは、咳エチケット手洗いです。咳があるときはマスクを着用しましょう。

麻しん・風しん
第5類感染症全数把握

 麻しん・風しんが、2008年より全数把握疾患となりました。
 風しんは、現在、関東地方と近畿地方の都市部を中心に、報告があります。成人男性を中心に感染しており、流行している地域では、学校内・職場・施設内での集団発生や妊婦や妊婦の家族での感染も報告されています。和歌山市内における風しんの報告数は、2012年は、第16週1件、第28週1件、第32週2件、第33週1件、第37週1件、第38週1件でした。2013年は、第23週17件、第22週34件、第21週28件、第20週8件、第19週6件、第18週9件、第17週10件、第16週6件、第15週1件、第13週1件、第12週1件、第8週1件の報告がありました。
 麻しんは2008年23件、2009年6件、2010年1件、2011年0件、2012年0件、2013年0件です。

風しん Rubella
今週の報告数は17件で、前週より減少しました。

<和歌山市の状況>
 和歌山市内における風疹の報告数は、2008年は、第3週(16歳)、第22週(70歳代)の計2件でした。2009年は、第17週(11歳)1件で、単抗原ワクチン接種済みの方でした。2010年、2011年と報告ありませんでした。2012年は、第16週1件(17歳:女性)、第28週1件(38歳:男性)、第32週2件(22歳:女性, 23歳:男性)、第33週1件(45 歳:男性)、第37週1件(45 歳:男性)、第38週1件(35 歳:男性)の計7件の報告がありました。2013年は、第8週より20〜40歳代の男性を中心に計122件の報告があります。発生状況の詳細はこちらへ。
 現在、風疹の報告数は、首都園と近畿地方を中心に報告があります。報告例の年齢・性別の傾向は、成人男性が中心です。女性の報告例をみると、出産年齢とされる年代が7割以上を占めているため、胎児が先天性風しん症候群という病気になる危険性が高くなるため、注意が必要です。
 風しんは、発熱、発しん、リンパ節の腫れなどを特徴とする病気です。患者から出る風しんウイルスが口からでるつばなどのしぶきを介して感染します。予防には、ワクチン接種が有効です。風しんワクチン接種に対する助成制度がスタートしました。詳細はこちらへ。
 風しんを疑うような、発熱、発しん、リンパ節の腫れなどの症状がありましたら、早めに医療機関を受診してください。



  年齢区分
0-9歳 10-19歳 20-29歳 30-39歳 40-歳
2012年 0 1 2 2 2 7
2013年 7 6 34 33 42 122


先天性風しん症候群 (Congenital rubella syndrome) とは
 先天性風しん症候群とは、ワクチン未接種で風しんにかかったこともない女性が妊娠初期に風しんにかかり、風しんウイルスが胎児に感染することにより、出生児に主に先天性の心疾患、難聴、白内障等の障害を起こす病気の総称です。風しんは主に春〜初夏に流行するため、妊娠中に風しんウイルスに感染した胎児のほとんどは秋〜冬に生まれています。
 和歌山市内では、1999年以降、先天性風しん症候群の報告はありません。
 妊婦への感染を抑制するため、特に、
  1. 妊婦(抗体陰性又は低抗体価の者に限る)の夫、子ども及びその他の同居家族
  2. 10代後半から40代の女性(特に、妊娠希望者又は妊娠する可能性の高い者)
  3. 産褥早期の女性
のうち、明らかに風しんにかかったことがある、予防接種を受けたことがある又は抗体陰性若しくは低抗体価でないと確認ができた者を除いた者は、予防接種を受けることがのぞましいといわれています。
麻しん Measles
第23週は報告なし

<和歌山市の状況>
 2008年は、第10〜46週に計23件、2009年は、第16〜24週に計6件でした。
 2010年、2011年、2012年は報告なく、2013年も第22週現在まで、和歌山市内で麻しんの報告はありません。


 2011年に関東地方を中心に4月半ば〜5月半ばにかけて麻しん報告数が増加しました。全国の患者の報告は1歳をピークに0〜4歳の小児が最も多いですが、20〜40代の成人患者も40%占めており、子どもだけでなく成人も麻しんに注意が必要です。

 

  年齢区分
0歳 1歳 5歳 10歳 15歳 20歳 25歳 30歳 35歳 40歳
2008年 0 6 2 7 6 0 0 1 0 1 23
2009年 0 6 0 0 0 0 0 0 0 0 6
2010年 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
2011年 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
2012年 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
2013年 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

<麻しんとは>
 麻しんは、麻しんウイルスを原因とする感染症です。典型的には、10日前後の潜伏期を経て発症し、発熱・咳・鼻水・眼脂・結膜充血等のカタル期(2〜4日)、発疹期(3〜5日)、回復期へと続いていきます。感染期間としては、カタル期から発疹後4〜5日までとされています。


 なお、患者との接触から3日以内であれば、ワクチン接種により感染を予防できる可能性があります。早期診断と接触者への迅速な対応が大切です。



<麻しんの診断>
 2015年の麻しん征圧を目指して、様々な取り組みが実施されていますが、診断精度をより高めるために、麻しん(疑い)と診断された場合、PCR検査を全例に実施しています。咽頭ぬぐい液、血液及び尿の採取にご協力ください。



<市民のみなさま・特に子育て中の保護者のみなさまへのメッセージ>
 麻しんの予防には、予防接種の徹底が何より重要です。【Stop 麻しん・風しん】を参照。お子様が満1歳になりましたら、先ず麻しんワクチン(=麻しん・風しん混合ワクチン)を接種しましょう。また、就学前の1年間の2回目の接種も忘れず受けましょう。
 平成20年度から5年間、中学1年生及び高校3年生相当の方も麻しん風しん混合ワクチン接種の対象となりました。対象者の方が接種できる期間は、それぞれ1年間のみです。早めに接種しましょう。



<若年成人の方へのメッセージ>
 ワクチン接種率が向上し,罹患者は減ったものの,接種漏れなどで免疫のない人がかかると重症化する恐れがあります。現在の20歳代及び10歳代後半の若年者は、ワクチン接種率が低く、接種者でも接種から10年以上経過すると抗体価が低下している場合があります。接種歴のない方や抗体価が低い場合は、ワクチン接種が必要です。
 発熱等の症状があった場合には、早期に医療機関を受診しましょう。

これまでの注目の感染症
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